血管探索記

腫瘍や血管の病気のこと、日々に出会ったものから連想する科学、旅行記、コラムなどを記します。

肝臓がんビーズ治療○かじり

これまで記した肝臓がんの化学塞栓療法(ビーズ治療《ビーズTACE》)の記事をまとめてみました。専門職の方はもちろん、多くの方に病気予防や治療の予備知識としてご活用頂ければ幸いです。

 

【ビーズ治療(TACE)の施行ポイントはこちら】

 

【ビーズ治療(TACE)の概要はこちら】

 

【ビーズ治療TIPS】

ビーズ記事のみを掲載した解説ブログです。

drmasa-beadstace.hateblo.jp

 

 

【2015年 紙面掲載】

2015年6月 総説 

髙橋正秀、阪口昇二 他 日本IVR学会誌 JSIR Vol. 30 No. 2, 5-12p (2015.6)

球状塞栓物質をどう使うか 総論(Instruction For Use)

 

2015年12月 症例報告 

髙橋正秀、代田夏彦、菅原信二 Rad Fan Vol.13 No.15, 1-4p(2015.12)

Embosphereを用いたflow directed embolization

~AP shuntの閉塞・側副血行路からの腫瘍塞栓~ 

 

【2015年 講演等】

2015年1月8日 講演 エーザイ北総地区講習会(エーザイ松戸営業所)

演題名 肝細胞癌における診断と治療 ~ディーシービーズTACEの理解を深める~

 

2015年2月12日 講演 東京アンギオIVR研究会(明治記念館)

演題名 Microsphere-TACE for HCC [同研究会年間最優秀講演賞受賞]

 

2015年3月14日 講演 第9回三河PET研究会(ホテルアソシア豊橋)

演題名 がんと動脈硬化 ~カテーテル戦略の最前線~

 

2015年4月17日 シンポジスト 第74回JRS総会(パシフィコ横浜国立大ホール)

演題名 Technical considerations and complications specific to Microsphere-TACE

 

2015年5月29日 技術教育セミナー講師 第44回IVR学会総会(宮崎シーガイア)

演題名 How to prepare and utilize Embosphere in TAE for HCC ~The role of bland embolization~

 

2015年5月30日 解答者 第33回日本MSG研究会(宮崎シーガイア)

Case Based Discussion (総腸骨動脈瘤切迫破裂の治療方針・EVARの詳細) 

 

2015年6月3日 講演 エーザイ茨城南部地区講習会(エーザイ東光台研究所)

演題名 DCB-TACE for HCC

 

2015年7月15日 講演 大日本住友製薬茨城県南部地区講習会(大日本住友製薬土浦営業所)

演題名 DEB vs. Lip-TACE ~棲み分けあり?なし?~

 

2015年7月17日 講演 第37回つくばIVRカンファレンス(筑波国際会議場)

演題名 ビーズの真相 ~私たちは何を期待してそれを手にしたのか?~

 

2015年7月25日 講演 第3回DCB検討会(東京コンファレンスセンター品川)

演題名 DCBsを安全に使用するこつ ~いかに合併症を回避するか~

 

2015年8月6日 講演 LCCI(東京医科大学茨城医療センター)

演題名 DEB-TACE ポジショニングと安全性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

drmasa.hatenablog.com

 

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結果より原因に切り込め・・・とはいうものの。

私が医学生の頃、所属していた医学英語のサークルでフィンランドの先生をお招きして勉強会をしていました。彼は今では当たり前になったキシリトールの研究をされていましたが、当時はまだ、誰もそんな物質を知りませんでした。

 

ある時、勉強会で当てられ質問されました。

「今、最も急いで発展させなければならない医療分野は何ですか?」

 私はしばらく考えて「救急医療です」と答えました。

 

当時、交通事故死者数が年間一万人を超え、まさにこれが喫緊の課題だと思ったからです。昭和30年代(1955年 - 1964年)以降交通事故死者数の水準が日清戦争での日本側の戦死者(2年間で1万7,282人)を上回る勢いで増加したことから、当時交通戦争という言葉があったくらいです。

 

しかし、彼の反応は意外なものでした。「それは事故を減らせば済むことだ。医療ではなく交通行政の仕事ではないのかね?」

 ・・・・確かに。

 

私が専門にしている疾患の一つ、大動脈瘤も同じかも知れません。まずは動脈硬化と高血圧を減らすことが一番の早道なのです。私たちのしている治療はいつか過去のものとなる。なって欲しいのです。

「昔は大動脈瘤なんて病気があったんだってよ。へえ!怖かったね-」なんて医学生が会話している姿を夢見て、それまでの、きっと短くはない道のりを歩んでいるのです。

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穴があったらどうしよう

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「穴があったら入りたい」って、思ったことあるかな?
そんなとき、もし本当に穴があったら、君は入る?
もし入るとしたら、いつまではいっていようか?
そおっと穴から顔を出した時、君がみる景色はどんなもの?

 

「墓穴を掘る」なんていうじゃない?もしそんな穴、
掘っちゃったら、君は落っこちてみる?
もし落っこちてみるとしたら、いつまで中で倒れていようか?
痛みにたえて穴から顔を出した時、君がみる光景はどんなもの?

 

「虎穴に入らずんば虎児を得ず」とかって故事諺、信じてる?
もしそんな穴に入ったら生きて出られるなんて君は思うかな?
傷だらけになって穴から顔を出した時、君には何が残ってる?

 

そうさ!世の中いっぱい穴があいているけど、全部入っちゃいけない穴なんだ。
大事な時間を失ったり、信用をなくしたり、自信や元気を吸い取られたりする穴がたくさん口を開けているのがこの世の中なんだ。

 

ちょっと穴の中で閉じこもりたいこともあるかもしれないね。

でも勇気を出して穴の外に留まろう。
穴を掘っても落ちなきゃいいさ。

魅力的な穴を見つけても、それが自分に向いていないのなら、あっさり陽の当たる道を行けばいい。