ガソリンスタンドは現在、セルフが大部分だ。
僕がドイツに移住した時(1999-2002)、欧州では既にそうなっていたが、僕はバイト経験のおかげですんなりとそのシステムに溶け込めた。だが、バイト時代(1986ー1990)はセルフのスタンドは日本に存在しなかった。
給油の時、手強いことが一つあった。それは給油口を見つけることだ。お客さんが教えてくれそうなものだが、意外とそうでもなく、キーを渡されて「じゃ、満タン、お願いね。」と言われるだけのことが多い。単に給油機と反対側になっているような時は、車の向きを変えて貰う。あるいは鍵を預かって自分で変える。(これが緊張する!)もっと難しいのは、想像もしないところに給油口がある場合だ。
外車に良くあるパターンとしては、後ろのナンバープレートを跳ね上げると、その中にキャップがあるというやつだ。それから、昔のいすゞ車はリアピラー(後ろの窓枠)のところに通気口のような板があり、それを開けると給油口があった。
さらに難しいのが、昔のフォルクスワーゲン、いわゆるビートルだ。
皆さん、ビートルのエンジンはどこにあるかご存じだろうか?前ではない。後部にあるのだ。前のボンネットを開けると、あそこはトランクである。ガソリンタンクというのは安全上、エンジンから最も遠いところにあるので、すなわちビートルでは、タンクは前にあり、給油口も運転席の直ぐ横あたりに付いている。
みなさんも、初めて運転する車に給油するとき、給油口が左右どちらにあるのかわからず、わざわざ車を降りて確認した・・・そんな経験があるかもしれない。
そんなときは、ここを見てください。
え?わからない?
気付かない方には・・・
この赤丸がヒント。
そんなテクニカルチップスもだんだん身についてくるが、いくらやっても、メルセデスやフェラーリの給油は緊張するものだ。それから軽油で走る、とある会社の社長専用車がいつも常連さんでやってきて、給油口すりきれいっぱいまで給油するために、泡抜きをする。このためバイト総出で車を揺する。楽しい思い出だ。あの運転手さん、めちゃくちゃいい人だった。
とにかく技術もバイトにとって大切だが、もっと大切なのはお客さんとのコミュニケーション。これについては楽しい話がいくつかある。次回、ご紹介しよう。
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