血管探索記

腫瘍や血管の病気のこと、日々に出会ったものから連想する科学、旅行記、コラムなどを記します。

驛舎

〜眠り・夢・恋〜


いつからだろう?夢をあまり見なくなった。中高生の頃は、夢の中の出来事で悲しい思いをすると、涙を流しながら夜中に目覚めたりすることが、しばしばあったのに。


でも昨夜、そんな夢が久しぶりに訪れた。セロトニンがたくさんでればいいなぁ、と、そんなことも、ふと考えた。


その夢の内容は忘れてしまったのだが、代わりに高校時代と思しき夢を思い出した。その時は(いつも通り)FM TOKYOをつけっぱなしで寝てしまったのだけど、夜中にさだまさしの新曲「驛舎:えき」がかかって、曲の終わり頃に目が覚めた。美しいメロディは却って覚醒刺激になり、しばらくは眠れなくなった。しかも歌詞に感極まって泣いている。


おそらく眠りながらも、無意識に歌詞を聴いていたのだと思う。そして、自分が追っても追っても、なお求められないものを強く意識していたに違いない。


僕は、目覚める直前、夢の中で、当時告白出来ずにいた、想い人の荷物を運んでいた。上京したが大都市の空気に馴染めず、帰省してきた彼女。二人の距離が、最も近づいた至福の「春」がそこにあった。


しかし本当の春は訪れなかった。やはり夢は夢。

「希望とは果たされぬ約束である。」

 

「驛舎(えき)」さだまさし↓

https://m.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=s_e4qoQbnZo

 

ところで、この歌の歌詞には、一つ謎がある。

驛に降り立った彼女は、「驚いた顔で」彼を見つめる。彼に帰省することを伝えていなかったのだろうか?だとしたら、彼はなぜ彼女を出迎えることができたのだろう?

 

僕の解釈はこうだ。

 

2人には気まずい過去がある。そして、そのわだかまりが消えぬ間に、彼女は都会に行ってしまった。

でも音信不通にはならなかった。 何故なら、彼女には都会での夢がありながらも、側に彼がいないことが、やはり寂しかったから。そして、彼は変わらず彼女を愛していたから。

でも彼女が「帰る」と彼に伝えて来た時、どうしても以前のわだかまりが頭をもたげ、彼は素直になれず、返信せぬ間に、この日を迎えてしまった。彼女は彼からの返信がないことから、もう自分は彼に甘えられないのだと、思っていた。

でも、実際は違った。ちゃんと彼は、自分の心に折り合いをつけて、迎えに来てくれた。全てを受け止めて。

僕のシナリオはこうなっている。そして、歌の中の2人が幸せになることをいつも願っている。

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