血管探索記

腫瘍や血管の病気のこと、日々に出会ったものから連想する科学、旅行記、コラムなどを記します。

散形花序?

散形花序


帰り道、遠くに太平洋を望む、日当たりの良いなだらかな坂道を登りきったところで、そいつらは、この世の春を謳歌していた。土砂で詰まりかけた側溝に沿って、たくさんのvivid な散形花序(後述)が群生している。

 

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GreenSnap に尋ねたら、今回も一瞬で花の名は解明された。(楽しい♩)その名はLantana[ランタナ]というそうだ。南米原産の帰化植物というだけでなく、なんとこんなリストにも入っている。

 

「世界の侵略的外来種ワースト100」

(国際自然保護連合[IUCN])

 

綺麗なら良い、とばかりは言っていられない事情もあるのだろう。

 

ところで、「散形花序」とは、一つの花軸から多数の花が放射状に咲くもので、アジサイが代表的である。(2枚目の写真)

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Lantanaの場合 、この散形花序が、中心から外周にかけて、色の帯を作ることが特徴的である。それゆえ、和名には「シチヘンゲ(七変化)」という艶やかな言葉が与えられている。(中心が新しく、外へ行くほど古い花となる。)

 

魅惑の七変化で人心を掴み、雑草のイメージを持たれぬように、不用意に刈られぬように、美しく咲いてきたからこその、ワースト100入りであろうか。


きっとあなたのそばにも咲いている。

 

茎の棘には気をつけて、散形花序[2枚目の図]を観察してみるのも、興味深いかもしれない。

驛舎

〜眠り・夢・恋〜


いつからだろう?夢をあまり見なくなった。中高生の頃は、夢の中の出来事で悲しい思いをすると、涙を流しながら夜中に目覚めたりすることが、しばしばあったのに。


でも昨夜、そんな夢が久しぶりに訪れた。セロトニンがたくさんでればいいなぁ、と、そんなことも、ふと考えた。


その夢の内容は忘れてしまったのだが、代わりに高校時代と思しき夢を思い出した。その時は(いつも通り)FM TOKYOをつけっぱなしで寝てしまったのだけど、夜中にさだまさしの新曲「驛舎:えき」がかかって、曲の終わり頃に目が覚めた。美しいメロディは却って覚醒刺激になり、しばらくは眠れなくなった。しかも歌詞に感極まって泣いている。


おそらく眠りながらも、無意識に歌詞を聴いていたのだと思う。そして、自分が追っても追っても、なお求められないものを強く意識していたに違いない。


僕は、目覚める直前、夢の中で、当時告白出来ずにいた、想い人の荷物を運んでいた。上京したが大都市の空気に馴染めず、帰省してきた彼女。二人の距離が、最も近づいた至福の「春」がそこにあった。


しかし本当の春は訪れなかった。やはり夢は夢。

「希望とは果たされぬ約束である。」

 

「驛舎(えき)」さだまさし↓

https://m.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=s_e4qoQbnZo

 

ところで、この歌の歌詞には、一つ謎がある。

驛に降り立った彼女は、「驚いた顔で」彼を見つめる。彼に帰省することを伝えていなかったのだろうか?だとしたら、彼はなぜ彼女を出迎えることができたのだろう?

 

僕の解釈はこうだ。

 

2人には気まずい過去がある。そして、そのわだかまりが消えぬ間に、彼女は都会に行ってしまった。

でも音信不通にはならなかった。 何故なら、彼女には都会での夢がありながらも、側に彼がいないことが、やはり寂しかったから。そして、彼は変わらず彼女を愛していたから。

でも彼女が「帰る」と彼に伝えて来た時、どうしても以前のわだかまりが頭をもたげ、彼は素直になれず、返信せぬ間に、この日を迎えてしまった。彼女は彼からの返信がないことから、もう自分は彼に甘えられないのだと、思っていた。

でも、実際は違った。ちゃんと彼は、自分の心に折り合いをつけて、迎えに来てくれた。全てを受け止めて。

僕のシナリオはこうなっている。そして、歌の中の2人が幸せになることをいつも願っている。

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感慨

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長丁場の学会が終わり、ANA便で福岡を後にし、帰途に着いた。明日はまた、青空が映るまで靴を磨き、新たな一歩を踏み出そうと思う。

しかし今は、寂しいような、もう体力の限界のような、そんな気分でもある。毎日が「やりたいことと、やれることのギャップ」を、一つ一つ確認する日々だった。でもまだやりたいことは確実にある。

学会では、新たな知見を得たのみにあらず、もう一つ、感銘を受けたことがある。それは「普段、直接にはわからなくても、確実に僕を見ていてくれる大切な知人、友人があり、皆、僕のことを忘れず、本気で心配してくれているということを、彼らと直接言葉をかわすことで、痛いほど再認識できた」ということだ。

靴を磨く手にも力が入るだろう。

IVR(アイブイアール)?

針の穴から行う治療?

 

良く、先生は何科ですか?と訊ねられます。
一応、放射線科です、とは答えますが、これで私のしている仕事を理解していただけることは、

ほぼありません。

 

まず、放射線を照射して主に癌の治療を行う「放射線腫瘍科や放射線治療科」とは全く違います。もちろん放射線技師でもありません。

 

解り易いところから言えば、画像診断が重要な業務の一つです。今、月曜日に放映中のラジエーションハウスで、本田翼さんがしている役どころが、まさにそうです。そして、そのほかにもう一つ、大事な役目があります。

 

先に述べたドラマでも、消化管出血を、本田翼さん演じる若き放射線科医が、カテーテルで見事止血し、窪田正孝君(今の所謎の役柄です)と、ハイタッチしていましたよね。これこそ私の本当の専門分野で、今福岡で開催されている学会がディスカッションしているテーマなのです。

 

今回、この治療をわかりやすくするために学会で、啓発ビデオができましたので、ぜひご覧いただき、恐縮ですが、よろしければ「いいね」もいただけると幸甚に存じます。

 

https://youtu.be/8vuc3TGoHoA

https://youtu.be/QiFb2RdbAT8