今から数年前の話題を一つ。
8時間を超える手術の後で行ったお好み焼き屋さんで、師匠がこう言われた。
「大阪では肉といえば牛肉のことや」
ちなみに僕は血管内治療を生業としており、師匠もまた同じである。彼はコックさんではない。つまり、彼のこの発言は大阪人を代表していると考えて差し支えない。(実際、病院の技師さん達にも裏を取ったが、間違いは無かった。)
関西カルチャーショック第…弾… 多すぎて何弾目か忘れた。しかし大きい爆弾だった。つまり「焼肉定食」というのは牛肉に決まっているし、肉まんに牛肉が入っていないという事実は受容されがたく、かくして大阪では「豚まん」という言葉が使われる。関東では「焼肉定食」なら、まあ普通豚肉だ。だってわざわざ「牛焼肉定食」というくらいだから。
次の日の夕飯、僕は食堂宮本むなしで「焼肉定食」を頼んでみた。見事に牛肉だった…。やはり師匠は偉大である。見事に僕の盲点をついてくれた。