血管探索記

腫瘍や血管の病気のこと、日々に出会ったものから連想する科学、旅行記、コラムなどを記します。

病院内アトラクション比較

病院には懸垂式モノレールのように天井を走行する「自走台車」という楽しい機械がある。書類や医療器具など、色々なものを運ぶのだ。

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外来のように行き先が複雑な場所では線路が何本も並行して走り、自動的にポイント交換が行なわれる。下部が防火扉になっている部分の上部では、台車がやってくると自動的に小さなスライド式ドアが開き、まるでディズニーランドのアトラクションのように、その小さな抜け道を台車が走りぬけ、そしてドアはまた自動的に閉まる。見ていたら飽きないこと請け合いだ。

以前は、強化プラスチックでできたカプセル「気走子」が、壁内に張り巡らされたパイプの中を圧縮空気の流れに乗ってぶっ飛んで行く「エアーシューター」というのもあった。壁の中からゴトゴトと音がするのは不気味だったし、気走子が到着する時にステーションに居合わせようものなら、けたたましく鳴り響くチャイムの音と、ドカン!という気走子落下音に驚く羽目になる。

自走台車なら大抵のものを送れるが、エアーシューターでは、そうはいかない。研修医時代の同僚が、禁止されているにも関わらず、ある薬剤のバイアル(瓶)を気走子で送ったことがある。どうなったかって?もちろん木っ端微塵になった。バイアルを送った彼が、師長から大目玉をくらったことは言うまでもない。

アトラクションとしてはエアーシューターの方がエキサイティングかもしれないけれど、自走台車の方が安全だ。運行管理システムさえちゃんと機能していれば。

 

※画像出典及び参考