血管探索記

腫瘍や血管の病気のこと、日々に出会ったものから連想する科学、旅行記、コラムなどを記します。

桜が肝臓に見える件

僕の眼に映る樹木は、時として僕が探索している血管構造にそっくりだ。

例えば、写真に載せたこの木は普通の桜だけれど、解剖学的に肝臓と酷似している。

f:id:drmasa:20150727210958j:plain

図のA#というのは、亜区域動脈に付けられた番号だ。ちなみにこの画像は、左前斜位から撮られている、という設定にしてある。

A2-4は左肝動脈、A5-8は右肝動脈の枝である。

 

残るA1は、左右肝動脈の根元から控えめに一本ずつ出るが、ここでは確認出来ない。また、この「 症例」 では、右肝動脈から胆嚢動脈が二本起始している。

 

いつもこのような木を見ながら、あそこのカーブでは、ガイドワイヤーをこう曲げ、あっちの角ではマイクロカテーテルをああひねり、などと想像を膨らませる。

 

はっきり言って、かなり変な人である。
ええ、自覚しています。