血管探索記

腫瘍や血管の病気のこと、日々に出会ったものから連想する科学、旅行記、コラムなどを記します。

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

蝉時雨

数年前、僕が住んでいたアパートの目前には近鉄 河内天美の駅があり、駅前広場に植えられた数本のケヤキには、無数のクマゼミがいた。 彼らは今を盛りと蝉時雨を奏でるが、そこにミンミンゼミやアブラゼミは全くいない。関東者の僕からすれば、異様な光景、…

ホワイトボードあるある

なぜか近くに油性マジックが置いてある。

桜が肝臓に見える件

僕の眼に映る樹木は、時として僕が探索している血管構造にそっくりだ。 例えば、写真に載せたこの木は普通の桜だけれど、解剖学的に肝臓と酷似している。 図のA#というのは、亜区域動脈に付けられた番号だ。ちなみにこの画像は、左前斜位から撮られている、…

エンボスフィアを染めてみました

以前紹介した肝臓がんのビーズ治療で使用するビーズ「エンボスフィア」。 着色すると・・・着色料は秘密です。

いつまでも見ていたい空

空はいつも同じじゃない 天候のことを言ってるんじゃないよ 同じ場所、同じ季節に、同じ時間 いつも通りの光がさしていたとしても 空はまったくちがう景色をつくる いつまでも眺めていたい空が、そこにある。 (写真: 東京医科大学茨城医療センター)

時には恋を

あなたが放つ いまの心が しみ入るように私に届く。 てさぐりの気持ちに響きこだまし いのちの鼓動を呼び覚ます。 まるで雨上がりのあの虹のように すがすがしい七色の衣の裾で。

瞬間を見据える

高校の修学旅行から帰った後、国語の授業で俳句を詠んだ。 「節冴えて たけとりの夢 はるかなり」(嵯峨野竹林にて) これは自分の作品だが、同じ学年の誰かがこう詠んだのも憶えている。 秀作だと思った。 「石庭や 小石のごとき 永きとき」(龍安寺石庭に…

文字は口ほどに物を言わない ~「ん」を綴る~

日本語の「ん」は難しい。 「ん」は撥音とも呼ばれ、実は、主に三つの違う音を一つの文字で表してしまっている(細かく分けると10にもなるらしいが…)。日本人は、「ひとつのひらがなには、常に一つの音が割り当てられている」と信じているから、この事実を…